禅語「松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)」神を祀る松の木に願いを込めて

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禅語

松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)

今年もスタートしてあっという間に一月が終わろうとしています。令和聖代5年の年頭に、貴方様の新たな一年が幾久しく健やかにありますように心より祈念申し上げます。

新春を寿ぐ瑞光に満ちた私の住むお山では寺院の門前に門松が凛とした姿で年神様をお迎えしております。

この門松や松飾りをはじめ、松は神を「祀る」神聖な樹木として古代より崇められて参りました。

それは、私たち日本人が自然こそが日々の糧を恵み、幸せをもたらすと考え、自然を神意の現れと信じたことに由来します。

冬でも落葉しない常緑の松が長寿繁栄の象徴となり、松の古木を神の依代と崇めるのもこれが理由です。

正月の茶掛けに多く使われる禅語に「松樹千年翠」があります。

松の木の翠色は長い歳月を重ねても、いつも瑞々しく無言の説法を続けている、という意味です。

また、この禅語には「不入時人意」の対句があり、「松が幾多の風雪にも屈せず、永遠の翠を保ち続ける堅固さに気がつく人はほとんどいない」と諭し、

私たちの身の回りには古来不変の尊い教えがある、という真実を識らしめる言葉となっています。

松の老木が今でも緑艷やかな姿であるのを見ると年を重ねることは老化ではなく、ますます磨きをかけることだと教えられます。

それは古木といえども、絶えず新陳代謝の営みを続け、毎年新しい芽を育み、花を咲かせ、実を結んでいるからにほかなりません。

真に生命の流れは輝きに満ちています。

今年も貴方様にとってさらに磨き込まれた佳き年になりますように、茶室より愛をこめて。