禅語【道無古今(みちにここんなし)】どんなに時代が変わっても、変わらないものもある

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禅語

道無古今(みちにここんなし)

冬になり、虫の音が絶えたお山に、錦の粧いを深めた樹々の中で南天がひときわ紅い実を鮮やかに実らせています。

古来、南天は「難転」、つまり災難を吉時に転化すると訓み替えて、招福の縁起の良い木として重宝されるようになりました。古くは神饌の折敷に使われたり、一枝を重箱の赤飯の上にのせ、またもう一枝を目籠の鯛の下に敷き、慶事の贈り物といたします。

南天は厳冬になっても落葉しないばかりか、霜や雪に逢うとますます紅い実の色を冴えわたらせます。どのような悪条件にも耐えて逆に輝きを増す、逞しいその不屈の自然の妙に、生命のあり方、生きる術を教えられます。

私たちも人生を全うするには、多くの悪条件を克服しなければなりません。路傍に見える花や実の一つ一つでさえも、太古から不変の生命の生い立ちがあり、生命の尊さを語りかけています。

禅語に「道無古今」があります。

物事の道理には、昔も今も関係ない、と諭し、「新しい考え方や手法も大事だが、人としてのあり方を学び、親を子が敬うといった真理には古いも新しいもなく不変のものである」という意味です。

新しい価値観が次々に生まれる時代ですが、目先のものを追うばかりでは人としての真理を見失います。あらゆる苦難に負けず、他人を敬い、天地父母に感謝し、子供を守り育てる。人の為すべき道理は本来変わることがありません。