【女性に多い痔の悩み】相談しづらい痔について 内臓疾患、アルコール、香辛料のお悩み

内臓疾患と深い関わり

痔疾は全身的な諸疾患との関連性が大きく、特に消化器や循環器の疾患と関わっている場合が大半を占めています。このため、肛門以外の全身にわたる不快な自覚症状が現れるのです。痔の症状は複雑ですが、病根は体内に蓄積した有害な老廃物です。痔は心臓、肝臓、腎臓などと同様な病で、この病因を根絶する薬効を持つ薬でない限り根源からの全快は望めません。

また、痔による出血が続き、その度ごとに出る血液の量はわずかであっても、長い間には失血による貧血で低血圧症に陥ったり、血液循環の不調を主とする全身的な疾患の部分症状として表れているためです。

動悸、息切れや肩こり、腰痛、手足にわたる不快な症状を解消し、日々お悩みになっている排便時に、いつまでも便が残っている感じを解消するには痔を治すことと、その方向で自らの手で健康を取り戻そうという養生にもお心がけいただくことです。従って病巣深部にまで浸透して、わだかまる有害な老廃物を井戸替えのように汲み出し、体内の治癒力を活性化し、無理なく五臓六腑を活発にし体全体を清浄にする漢方・生薬の薬効が必要です。

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休肝日を設けましょう

百薬の長として愛されているのがお酒ですが、二日酔いでは百害のみです。適度のアルコールを時間をかけて、高蛋白の食品を肴に飲めば、二日酔いとか、悪酔いは避けられます。

体の中に入ったアルコールは肝臓で分解され、アセトアルデヒドになります。肝臓は有毒なアセトアルデヒドを無毒の酢酸に分解、最後は水と炭酸ガスに変えます。肝臓でのアルコール処理能力は、個人差はありますが、だいたい一日に5百㏄程度といわれます。内臓諸臓器の中で肝臓は重さが一㎏を超す最も大きな臓器で、人が生きていくうえで非常に大切な働きをしていますが、痔疾を患いますと、肝臓の働きが十分ではない方もおられますから、少なくても一週間に二日は「休肝日」を設け、肝臓を休めてあげるようお願いいたします。

アルコールのような刺激性嗜好物は直腸・肛門静脈叢の充血を促します。適量を超えた飲酒ですと、痔疾のある方は二日酔いだけではなく、大量出血のケースも見られますので、深酒はお止めください。

香辛料ご使用は控えめに

何を食べても美味しくない。あれを食べよう、これを食べたいといった食欲がわかない時、香辛料は食を進め、味を引き立たせてくれる効果があります。しかし同時にその刺激には習慣性があり、常用していると、少々の刺激では効かなくなりますので、注意が必要です。

香辛料の種類や量によっても刺激の程度は違いますが、香辛料の辛味成分は消化分解をほとんど受けずに体内に吸収されます。直腸粘膜や肛門粘膜は香辛料に対してはほかの粘膜と同様、表面の皮膚よりも感受性が高いものです。また、肛門部の皮膚も他の部分の皮膚よりデリケートですので、香辛料による刺激を直接受け、血行にも悪い影響を与えます。


香辛料はとくに近年、アジア風味も人気で和風、洋風とりまぜて五十種以上のものが使われています。しかし、和風のわさび、からし、しょうがや洋風のペッパー類は成分中の辛味部分(刺激成分)が痔疾の患部を刺激して痛みなどを悪化させます。痔疾の方は、辛い本格的なカレー料理は避けていただき、控えめのご使用に留めて下さい。

喫煙はひかえましょう

多くの嗜好品の中で、健康に良くないと言われるのがタバコですが、実は痔にとってもいろいろな悪影響を及ぼします。
タバコには、ニコチンや一酸化炭素が含まれています。体内に入ったニコチンは自律神経を刺激して血管を収縮させます。また、一酸化炭素も血管を縮める原因になります。これにより、肛門周辺の血行不良が進み鬱血しやすくなり症状が悪化します。肛門には非常にたくさんの毛細血管があるので、痔を患っている時には鬱血状態はよくありません。

タバコを吸うと煙の中のニコチンが肺に入り、毛細血管から吸収され全身に運ばれます。その速さはわずか7秒で脳に達するといわれます。さらにニコチンは咳やタン、動悸、息切れ、頭痛、食欲不振、吐き気などを引き起こし、身体が酸欠気味になったり、口呼吸が増えたり、ビタミンCを消費してしまったりといった体の免疫力を下げる要素がたくさんあります。このほか細菌の繁殖や炎症の起こしやすさなども、痔の症状には悪影響を及ぼします。
実際、禁煙したら症状がましになったという方もおいでです。難症の痔をきっかけにして禁煙されるのも、お体のためと言えるかもしれません。

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