ご家族のご理解が大切
言うまでもありませんが、痔疾は辛く、悩みの多い病です。ご自身だけで悩み込んでしまったり、ひたすらに苦しまれて落ち込んでしまうよりは、ご家族からのいたわりと、ご理解があれば、どんなにか心強いことでしょう。
肛門の病気だから恥ずかしいからとか、格好が悪いからと思い込み、一人で勝手に治そうなどと思わないで、キッパリと家族に打ち明けることが全快への近道です。痔疾治療の第一歩は、痔を患う方と、痔というものは難症であると本当に理解している方との、固く手を取り合った、二人旅でなくてはならないのです。
ことにご伴侶のご理解こそ真のいたわりであり、患っている方のちょっとした仕草から全てを察し、力づけて励まし、あるいは叱責し、ご一緒に全快に向けて一路邁進する、そのまろやかなお心が病む人に、否が応でも治し切るという闘病の心をふるい起こさせ、全快への道をひた走ることができるのです。
もちろん、お子様からの手助けも、大きな力となって嬉しいものです。全快に向け、ご家族一丸となってのご闘病にお励みいただけましたら、いち早い根治の道が拓くのは間違いありません。
排便は健康のバロメーターです
痔疾はつらく苦しい病です。しかし、痔を病まれている方々の多くは、痔の病根が、日常生活の無理によって知らずしらずのうちに蓄積した体内の有害な老廃物であることはご存じありません。痔は一般の市販薬や手術で癒すことができるものと誤解しておいでです。痔の病根は体内の有害な老廃物であり、その病根を除去してこそ痔が完治するのです。
痔疾を患っていられると排便は苦痛そのものですが、有害な老廃物を排出するために大切なことです。便意を感じたらすぐお手洗いに入る習慣をつけましょう。我慢すると慢性の便秘に結びつき、排便時の便も大腸壁に水分を吸収され硬便になってしまいます。便意がなくても起床時や食後などには必ずお手洗いに行く習慣をつけてください。お目覚め後の胃腸は、便塊を押し出すのに都合の良い状態を作ります。
痔疾は、正しい治療をしない限り、決して自然によくなることはありません。放置すればするほど悪化してしまいます。生命維持のためにとても大切な排便でさえ、悪化のための刺激になってしまいます。体内の病根をしっかり認識いただき、家傳薬でご治療されますと、病根をことごとく排出し、息切れや動悸、肩こりや腰痛も起こらなくなり、全身の不快な症状も解消し待望の全快です。排便後の便の残った感覚も無くなります。排便は健康のバロメーターです。
辛くとも毎日排便の習慣を
痔を癒し、健康を維持するためには、便を溜めないことが大切です。今日では、一日一回の排便が当然のように考えられていますが、古代太古の人類は一日に何回も排便を行ったそうです。これが本来の排泄のあるべき姿です。痔を病まれると、排便はつらい刺激となり、排便を困難にしますが、痔の病根は大小便などとともに排出されます。排便のために余裕のある時間を持っていただく日課を工夫され、便意の高まりやすい一定の時間にトイレに入られ排便する習慣をつけていただくようお願いいたします。
とくに胃や大腸の反射がよく現れる起床直後や食後のタイミングを捉えて排便を心掛けてください。痔を患い、肛門や直腸内部に腫れや捩れがあると排便ができなかったり、残便感がありますが、トイレに長居をして、無理にきばると痔を悪化させてしまいます。
日常生活に欠かすことのできない排便は、健康のバロメーターです。排便が円滑かどうかが、健康を測る指標となるからです。季節の変わり目のこの時期は、痔が悪化することが多いものです。生活が不規則にならぬよう努められ、体調を整えてください。
便意とどう付き合う
痔でお悩みの方は、便意とうまくつきあえるのかが鍵になります。便意を感じにくい便秘症の方や、排便が怖いと感じている方もおられるでしょう。仕事や生活習慣の中で便意を感じた時、すぐにトイレに行くことができない方も多いと思います。我慢することが重なると排便のタイミングを逃してしまい、直腸から脳への刺激が起こらなくなってしまいます。これでは自分での排便コントロールはできません。
トイレに行きやすい時間に便意が起きるよう習慣づければいいのです。「朝起きたら排便」が一番簡単です。寝起きは休んでいた腸が動き始め、食べ物を食べていなくとも弱い刺激が起こります。朝起きられたら、コップ一杯の冷たい水を飲みます。すると腸が活発に動き始め大脳に刺激が伝わります。そこで便意を感じたらすぐトイレに行くのです。これを繰り返すと次第に体が覚えて、水を飲まなくても排便ができるようになります。最初からうまくいかない場合もあるかもしれませんが、便意がなくてもトイレに行く習慣をつければ、改善しやすくなります。ただトイレに入っても、無理にいきまないように注意しましょう。また、排便できなかったとしても三分程度でトイレから出るよう心掛けてください。